ソルフィンカマロンペーストを使ったスィーツご紹介

永井紀之氏(パティスリーノリエット オーナーシェフ)が選んだステキな作品たち

2021年9月 第1回ソルフィンカスィーツコンテスト実施。

掲載にあたり、ご協力をいただきました皆様に感謝申し上げます。チリの栗がこんなに素晴らしい形になることにも感動です。

Le bel automne by 長谷川千将さん

La Patisserie Seri 神奈川県川崎市)

ソルフィンカのマロンペーストは雑味がなく、栗本来の風味が強くまろやかな舌触りですので、ムース・クリーム・焼成生地に使用しました。マロンペーストの風味をそれぞれのパーツで強調しつつ、今回合わせたオレンジのさっぱりとした柑橘の香りと酸味で食べやすいケーキにしました。さらに、マロンペーストにラム酒を加え、より一層マロンペーストが深い味わいと風味、高級感がでるように、ラム酒が強すぎずマロンペーストが引き立てられるよう調整してあります。

Castaña by 小池拓帆さん

Patisserie Aplanos さいたま市)

ソルフィンカマロンペーストの風味を生かすために、爽やかなカシスの酸味を組み合わせ、食感と味で皆さんに楽しんでいただける構成に仕上げました。マロンをベースにカシスの風味を感じられるようにする為、コクのあるマロンペーストでストレートにマロンを感じてもらい、マロンとアーモンドを合わせたしっとりとした生地、さらにマロンのシロップ漬けで3種の食感と風味に変化をつけました。ソルフィンカマロンペーストは収穫から加工までチリの提携工場で一貫して行われていることを知り、製品を通して我々パティシエもチリと繋がっているという意味を込めてリング状に仕上げました。

Automne

星 陽二さん

Patisserie Aplanos

Soleil

大窟達也さん

Patisserie Aplanos

Bendición Chilena

福田 真夕さん

Patiserrie Caroline

マロンカシス

志村 直輝さん

㈱成城凮月堂

Automne

ソルフィンカマロンペーストは焼成することで、豊かな香りと味わいが生かせると思い、ガトーバスク風に仕上げました。マロンペーストを各パーツに練り込んでありますが、底に直接マロンペーストを敷き込み、アクセントとして強い味わいが出るようにしました。マロンの優しい味に少し酸味の効いたアプリコットを組み合わせることによりマロンの味を引き立たせ、よりいっそう味わい深い仕上がりにすることができました。ソルフィンカマロンペーストの優しく芳醇な風味は他の素材と合わせる事によりマロン自体の風味はもちろん他の素材を生かすことができ、より多様な組み合わせの可能性を感じました。

Soleil

ソルフィンカマロンペーストの産地である、チリの恵まれた気候→太陽というイメージで香り豊かなマロンペーストと酸味の良いオレンジを組み合わせました。モンタージュはサンファリーヌの生地を起点として、全体に口当たりが良く、軽い食感をイメージしました。アクセントとして生地にはオレンジマーマレード、センターのムースショコラにトンカ豆を使い、マロンとの全体のバランスを考えながら、季節感を感じさせる味わいにまとめました。デザイン面では色、風味、形でも季節感を感じてもらえるように、ペーストを使用してマロンを形作り、チョコレートでコーティングしたものを載せて販売時のことを考慮してシンプルでまとまりのある仕上げを心掛けました。

Bendición Chilena ~チリの恵み~

ソルフィンカさんのマロンペーストは、味が濃厚で甘みが強く作業性のよい柔らかさを持つ点が印象的でした。そのため、このペーストをダイレクトに味わえるマロンペーストやシブーストのような軽い質感のクリームに使用するのに適していると感じ、製品に取り入れました。上から下までフォークを通し、口に運んだ際に重く、そして甘くなりすぎないよう、使用するクリームの空気量には特に気を配りました。また、ブリゼに卵黄を加えることより、もろさを増えさせフォークでも食べやすくしました。チョコレートクリームに使用したオレリスは、栗の風味を生かすため黒糖を使用したチョコレートという理由で採用しました。太陽が光り輝く南米・チリからの恵みの栗を使用した製品であるため、公用語のスペイン語で「チリの恵み」と名付けました。

マロンカシス

*マロンペーストの風味を生かすため、クレームベニーユ以外リキュールは使用していません。*栗の味をより引き立たせるため、カシスの酸味を入れています。*口に入れた時、最初に栗を感じ、次に栗とバニラ、栗とカシスと味に変化をつけました。さらにムースマロンより濃厚なクレームマロンをセンターとケーキの底に入れることで、バニラ・カシスと味が変化していき、しっかりと栗の味を感じられるよう層を構成しました。*ムースマロンにはきび糖を使用し、味にコクをプラスしています。*生地は、他の素材とのバランスを考え、軽い口どけになるようレシピを作りました。

otoño

長谷川 勇太さん

Patisserie Aplanos

Adicción a la castaña

福田 真夕さん

Patiserrie Caroline

Château de marron

布下 裕希さん

Double Chefs

Cake au marron

副島 将吾さん

Aigre Douce

otoño

自分が大好きなコーヒーとオレンジとマロンを組み合わせてみました。苦労した点は、三つの味のバランスをとる事と焼成の仕方です。味の面ではオレンジの風味がうまく出なかったのですが、2層にすることにより自分のイメージした風味を出すことが出来ました。焼成はドーム型に焼き上げるのが難しく、空洞ができたり、焼ききれないことがありましたが、網や鉄板を上手く使用することで綺麗に焼きあがりました。もう一つのポイントはコーヒーヌガーに2種類のナッツを使用しているところです。ヘーゼルナッツとクルミを使用することで食感や風味でアクセントをつけることができ、さらに秋のイメージを強めることができました。

Adicción a la castaña

ソルフィンカさんのマロンペーストは栗の味が濃厚で甘さが強いのが特徴だと感じて、焼菓子で使用するならペーストをしっかり感じられるテリーヌとしての活用が最適だと考えました。菓子の最下部には食感の増強と風味を生かすためのヘーゼルナッツパウダーを使用したシュトロイゼルを敷きアクセントとしました。また、日持ちのする焼菓子にするため、糖度を65度まで上げたマロンコンフィチュールと洋酒、トレハロース入りのグラスアローをコーティングし、時間が経ってもパサつかず防腐効果の高い製品となっています。「この菓子を口にした人が皆、栗の虜になる」という願いを込めて、作品名はチリの公用語であるスペイン語で「栗中毒」と名付けました。

Château de marron

ソルフィンカマロンペーストは、焼成加工すると栗本来の味と風味が残ると感じたので、焼菓子仕様にしました。このペーストを生かすべく、栗本来の風味をダイレクトに味わえるようにあえてマロンをベースにしたケーキに仕上げました。アプリコットで酸味を効かせつつラム酒の香りをつけたヘーゼルナッツで食感と香りにアクセントを加えます。さらにダックワーズの香ばしさをプラスすることで絶妙なバランスに仕上げた大人のお菓子です。

Cake au marron

マロンペーストを生地、ガナッシュ、仕上げそれぞれに使用。マロンガナッシュは焼成後もしっかり感じられるよう制作。くるみは生地の食感をもたせるため粗めの状態のペーストで使用。くるみのアッシュはローストしておき香りを大事にしています。

今回の作品を集めるにあたり、コンテスト形式をとりました。特別審査員にはパティスリーノリエットのオーナーシェフ永井紀之氏を招請し、選ばれたのがこのページでご紹介した作品です。ご多忙の中、多大なご協力をいただきましたことに感謝申し上げます。